ネズミ男 「この話の、教訓ってな何だ」
霧笛の響き渡る暗い波止場、ネズミ男と鬼太郎は中央に立っている。鬼太郎 「何だそりゃ」
ネズミ男 「だってどの回にもよ、テーマってあるだろ、自然を大事にとか年寄り話は聞くもんだとかよ。だったら今回の、これって何だよ」
鬼太郎 「訳のわかんない事言うな。お前何か起こるたんびにそんな事考えてるのか」
ネズミ男 「何か壮大に見せ付けられて終わった、って気がすんだよなぁ。俺ら巻き込まれて何が何やら、って言うか」
鬼太郎 「こっちはお前に巻き込まれたんだよ、いい迷惑だったよ他人事みたいな言い方するな」
ネズミ男 「一番はっちゃけてたのお前じゃねぇか。熱弁振るってたくせに」
鬼太郎 「お前なほんとに大概にしないとキレるぞ。すまなかったな位言えないのか毎回毎回毎回」
ネズミ男 「まぁ何だな、フェミニズム、ってことかね、それと」
(ネズミ男は鬼太郎の方を向いていない)
「考えて物を言え、ってことかね」
ネズミ男 「おいちょっと待て、どこ行くんだ鬼太郎」
鬼太郎 「ラーメン食いに行くんだよ」
ネズミ男 「さっき食ったろ」
鬼太郎 「食った気しないんだよ。お前は帰れ、付いて来るな」
ネズミ男 「つれない事言うなよ友達だろ、お疲れさんしようぜ」
鬼太郎 「お前は意地汚いからやだよ」
鬼太郎 「おい」
ネズミ男 「何だ」
鬼太郎 「ここは、海だな」
ネズミ男 「海だな」
鬼太郎 「あの女、何か、言ってなかったか」
ネズミ男 「何かって」
鬼太郎 「引際の話だよ、海に、沈めちゃった って」
「同僚は今でも行方不明のままですって」
ネズミ男 「きゃああああ」
鬼太郎 「きゃあじゃない、走れ!」
ネズミ男 「あわわわおいおいお助けェ、冗談じゃねぇよォ」
鬼太郎 「冗談じゃないのはこっちの方だ!全くいっつも、お前と居ると」
鬼太郎 「お前と居ると、ロクなことが無い!」
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「まだ観てくかい。お代は三百円だよ。それより高くも安くもねぇよ。その価値だけの興行だ」
「なんで三百円かってそりゃあ」
「煙草買いに行くんだよ」