シーサー日記




11月2日

鬼太郎さんのほっぺたにごはんつぶがついている。これを書いてるのがいまおひるの三時はんだから、かれこれ5時間はそのままだってことになる。なんで気付かないんだろう。いまさら言ってもなんでいまさらってぼくのせいにされるし、はじめから言っててもたぶん「わかってるんだよ!」とかいって怒るんだろうことは目にみえているのでぼくはなんにもいわない。あなたなにをわかってるっていうのか!
ついちゃってるわようふふひょいぱく、とでもやるのがたぶんぼくがやるべきなこう動なんだろうけど、鬼太郎さんはまったくかわいくないのでまったくそんな気になれない。


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11月6日

おつかいの帰りに公園をとおったら、ユメコちゃんと星郎くんのおとうさんがぶらんこにすわっていた。
いやなよかん。おとなが休みじゃない日のお昼にブランコにすわってるっていうのでいいおはなしでしたっていうのをぼくしらない。そういえば星郎くんこないだステーキ食べたーって言ってなかったっかなぁ?パパがねーえらくなったからねーお祝いだったんだよ!って。あきらかにステーキなんてえんのなさそうなこのぼくにわざわざその話を。ステーキ話いつだったっけ?一週かんも前のはなしじゃなかった気がしますよ。
くろいよかんにもんもんとしてたらさくらんぼを買うのをわすれておやじさん怒る。ちいちゃいからだでぷんすかぷんすか、おおいに怒る。おやじさんにいやされる。ありがとうぎゅってしたい。


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11月9日

たいへんな一日でした。たいへんな一日がおわりました。長くなるけど、かかねばいけないだいじな記ろくだとおもいます。ここにぼくはのこします。長くなります。

ここ数日、こなきのじいさんのようすがおかしいっていうんでなかまみんなで交たいで尾行続けてました。そしてぼくはついにみたんです。じいさんがうつろな目をして、ひとり夜のかぶき町へすいこまれていく所を。
「おばばには言えんばい」とこっそりぼくだけにもらしたいったんもめんさんの言葉を、ぼくは信じたくはなかったです。だけどあの日、ジニヤーさんと二人で同伴出勤という言葉でまいあがってたじじいの姿を、しっているのはぼくだけ。ならばとめられるのもあの日いっしょにいたぼくにだけしかできないんじゃないか!ぼくはとなりにいたまる毛にはないしょで、そっとじいさんのあとを追いました。もうだれも傷つかずすむように。
じいさんいた!なんか背中まるめてぎらっぎらのネオンみたいな看板もってるいかがわしい男に肩叩かれてる!なきそう。じいさん!ぼくはたまらずさけんでとびだしました。
あっらー!いかがわしい悪しゅみな看板男はネズミ男せんせい!?呼びこみのバイト!?しりあいの?そしておみせの名前にはいやみってかいてる。なんかむずかしいけどわかりやすくいやらしい当て字でいやみってかいている!
ていうことはここはおかまの…じいさんうなだれたままこっちを見てくれない…はたらいてるの、ここで、夜な夜な働いてたの、どうして!「老いらくの恋ってなぁなァ」あぁやっぱりだまされ…じいさんあんた…!
「わかってやれ、じいさんまだ枯れちゃねえんだ」ネズミ男さんの手をふり払い、ぼくは泣きながらさけんだ!だけど今のじいさんちっとも楽しそうじゃないじゃないですか!こんなかなしい目をしたじいさんぼくはいやです!いいんですかネズミ男さん、おなじ男としてこんなじいさんみすごしておけるんですか!?そしてなにより、じいさんのじゅんけつを!じゅんじょうを!わかってやれるのは、ぼくとネズミ男さん、あなたしかいないはずです!

ネズミ男さん、ちょっとちん黙したあと、親指で鼻こすりあげて「まいったぜへへうっかり泣けてきちまったぜシーサーよォ」ネズミ男せんせいの目にかがやきが!「女に騙されわかっていても止めらんねえ男の純情、その胸の痛み。じいさん、俺も引き受けてやるぜ。足を洗いねェ、今なら戻れる」
だまってうつむいてたじいさん、ぐしゅん、鼻すすって、ちいさく、いつもの、あの笑い…「エヘ…」じいさんかえってきてくれました!じいさんがいつものじいさんだー!!

そのあと「ぅうるさいわねェなんの騒ぎィ?」といやみの声がおりてくるが早いが、ネズミ男さんじいさんかついでぼく投げつけて、「いやみせんせえェェェチェーーンジ!じゃあよシーサーきばれよォォ」叫んでけむり上げて走っていった…のこされたぼくはいやみのひろげた両手のなか…「あらァかっわいいわねえ」うわああああネズミ男さーーーーー
でもなんかおみせの中のみんないいひとで楽しくて、お酒調合してるジニヤーさん(魔女だからね…!)もやさしかったし、ちょっとぼくわるくないなぁとか思いました。妖怪たくさんと思えばへっちゃら。ぼく妖怪だったし。
すべてまるくおさまったいい夜にかんぱい!じいさんとネズミ男さんはあのあと飲み歩いてよいつぶれたらしい。
口紅ぬられてくちびるかぶれてしまいました。どうしよう。

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11月11日

公園を通ったらまたユメコちゃんと星郎くんのおとうさん(天童まさおさん)がぶらんこにすわっていた。ニクスは地元にかえったはずなんだけどなあ。どうなんだろうなあ。

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11月14日

ネコ娘さんがまっ赤な目をしておばばのひざでわんわん泣いてるから、どどどうしたんですかとうっかり寄っちゃったら、鬼太郎さんにぱんつをみられてしまったらしい。
本望じゃないですかと言ったらおばばがだまって首をふる。「パンダだなあっはっはっ」とそのままさわやかに笑って通りすぎてしまったらしい。
「鬼太郎はあたしのことなんかなんとも思ってくれてないんだ。ねえどうしたらいいの?どうしたらいつになったらあたし、鬼太郎に女と思って、意識してもらえるのかなあ?」まずぱんだから変えていかないとだめだとおもう。そこにきづかなきゃだめだとおもう。

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11月15日

でもぼくなりにちょっと考えてみたんですけど、(あ!これ、きのうの続きです)ほんとにそういえば鬼太郎さんは、ネコ娘さんを女と思っていないせんが強い。たとえばですよ空からお月さまにみせかけたまーるい敵がびゅーんって、鬼太郎さんとネズミ男さんとネコ娘さんのところにせめてきたとしますよ、鬼太郎さんはんしゃしんけい的にダッシュするんです。あのいかにも弱いものの味方的な女性にでれでれのへらへらぼっちゃん、おとなりに仲間といえどもいちおうおんなのこがいるというのにもかかわらず、まっさきにダッシュしますんです。「みんな逃げろー!」とかいいながら。
そんでれいによってネズミ男せんせいにしがみつかれていんぐりもんぐりやってるさきに、お月さまにねらわれたネコ娘さんがいるわけです。かわいそうに腰ぬかしちゃっておびえてへたりこんでいるわけですよ。それなのに鬼太郎さんは。これどうなんですか「逃げるんだー!」叫んだだけですよ。毛ばりのひとつも下駄のいっそくもとばしてやるべき所なんじゃないでしょうか。あわれネコ娘さんはお月さまに体当たりではねとばされですよ。植え込みにあたまからずぼーですよ。おんなのこだったのに。まぁこのおかげでネコ娘さん助かったわけですけれども、おんな的にはこれぜんぜんたすかっちゃいないですよね。むしろ負けちゃってますよね。ぼくじぶんがおんなのこだったらこんな男ぜったいいやです。
おんなのこじゃなくって仲間!それもやろうどうしのなかまてきな!どうかんがえてもそういう結論にしかみちびきだされないこのぼくのすいろん。これはこのままだとえいえんにこのままでしかありえないんじゃないでしょうか。なにかいっちょうしかけてやるべきでしょうか。いやです。

なにかフォロー的なこと書いておこうかなー。でもぼくしかみないにっきでフォローするとかそれなんなのー。ばかばかしい。よくかんがえたらなんでですます語でかいてるのかそれもおかしい。あっなにこれ(きのうの続きです!) だれにむけてんの。だれもいないじゃん!!沖縄から本土までやって来てなにをやってるのだろうぼくは。

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11月20日

さっきテレビをみていたら、小がく生の学校でこどもたちが「大きくなったらなにになりたい?」って聞かれてて、けいじくん学者さんこうじくんパイロット、せいこちゃんは?のながれの中なにを思ったかいきなり鬼太郎さん「ラーメン屋さんです!!」と大声で叫んだのでびっくりした。かぶされたせいこちゃんはテレビの中だから気にもしてなくて、かしゅですとか答えてて、平和に番組はすすんでいってるのに、いやテレビのそとのぼくはどうしたらいいかわかんなくてぽかーんですよ。どうしたらいいんだろう。どうしたっていうんだろう。
鬼太郎さん?って呼んでも、「ラーメン屋さんです!!」としかこたえなくてぼくの顔みないでしせんはひたすらまっすぐテレビ。そうですか、らーめん、好きですもんね、ぼくもだいすきです、おいしくって、
鬼太郎さんはきっとおおきくなったらしあわせになりたかったんだろうなあとおもいました。

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11月22日

公園をとおったらまたしても天童まさおさんがぶらんこにすわっている。人間事だからかかわるなとおばばに言われてはいるものの、いいかげんしんぱいになって声をかけてみる。
昇進したんじゃないんですかおじさん。「やぁシーサー君かこんなところで奇遇だねおつかいの帰りに寄り道かいハハハ、しかし寄り道ってのはいいものなんだよさぁほらみみをすましてごらん鳥の声も木々のざわめきも忘れていた全ての物が懐かしく甦ってくるだろう疲れたら立ち止まってみることだって長い人生大事なことなんじゃないかね?わかるかなわからんだろうな君のような若い者にはハハハ、そうさずっと前だけ見て突き進んできたんだこれからもやれるだろうやれるに決まってるじゃないか、ハハハ迷う事などない前方だけ確認、あとは真っ直ぐ進め!恐れるな世界は美しい!だよねえそうだねシーサー君ハハハハハハ」
ぼくのまわりにはしんぱいなひとしかいない。

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来月に続く。

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